『1%のチカラ』~地域経済循環分析の結果から~第5回「お金の使い道を変えることと、仕組みを作ること」
第1回目の記事で、入れても入れても町外へ流出するお金を、漏れバケツに例えて説明しました。
町内でお金を循環させるためには、町内でお金を使いたくなるような仕組みが必要です。今回の調査では、その一つとして、新たな起業につなげられる分野も見えてきました。
例えば、「惣菜・おかず」を見ると、1世帯平均、町外での購入額が年額39,176円。町全体では、年間9,108万円の惣菜・おかず代が町外に流出しています。これは、町内にこれだけの未開拓の惣菜・おかず市場があるとも言えるので、新たな惣菜おかず屋さんの起業は計算上可能です。
この惣菜・おかず屋さんを住民の方が利用すると、それまで町外に流出していた惣菜・おかず代のうちのいくらかが、町内で循環するようになるので、惣菜・おかず屋さんは、漏れバケツの穴を塞ぐ一つの仕組み、と捉えることができます。
惣菜・おかずに限らず、町外で購入しているものを、町内で購入するようになると、町内で循環するお金は増えます。それが、たった1%であったとしても、現在町外へ流出している食費は10億円ですから、その1%は1,000万円。1,000万円が町で循環し始めると考えると、たった1%とはいえ侮れません。
さらに、1%を各世帯の金額に直すと、年間4,301円です。仮に一本1,500円の一升瓶の焼酎なら3本で4,500円ですから、これまで町外で購入していた焼酎のうちの、3本を町内で購入するくらいが目安、と考えると分かりやすいでしょうか。ちなみに、調査時点での美郷町のアルコール飲料の世帯平均購入金額は42,792円。そのうち町内購入は12,468円(29%)でした。
いかがですか?それほど難しい金額ではないですよね。少しずつ町内での支出を増やすことで、地域の経済が回るようになります。これから日々のお買い物で少しだけ、地域経済を意識してみませんか?
今回で『1%のチカラ』~地域経済循環分析の結果から~は終了します。ご意見ご感想、お問合せは企画情報課までお寄せください。