『1%のチカラ』~地域経済循環分析の結果から~第4回「町内での買い物を増やしたら」
これまで、地域内でお金が循環すると地域にメリットがある、とお伝えしてきましたが、どのようなメリットがあるのでしょう。
飲食店で食事をした場合、図のように、支払った代金は、仕入れ代や人件費に使われ、仕入れ先がまたその支払いをする…というようにお金は循環していきます。
仮に、皆が収入の7割を町内で使う町があって、誰かに200,0000円の収入があったとします。この人は200,0000円のうち7割の140,000円を町内の飲食店で使いました。飲食店はこのうち7割の98,000円を町内の八百屋で仕入れに使いました。八百屋はこのうち7割の68,600円を町内の農家に支払いました。農家はこのうち7割の48,020円を町内の商店での買い物に使いました。ここまで5人の手を渡る間に、200,000円のお金が合計354,620円の売り上げを生み出しました。
反対に、最初の人が全てを町外で使ってしまったら、飲食店、八百屋、農家、商店、誰の売り上げも生まなかったことになります。
お金が地域内を循環することが大事な理由は、このように循環する間に価値を生み出すからなのです。少しでも地域内でお金を循環させるためには、地域外への流出額を減らすことが重要です。
第5回(最終回)「お金の使い道を変えることと、仕組みをつくること」に続く