美郷町地区別定住戦略事業「ちくせん」
美郷町では、第2期美郷町まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく人口減少対策の一つとして、令和2年度から町内24の行政区ごとに住民が主体となって定住促進の取り組みを定め実践する、美郷町地区別定住戦略事業「ちくせん」を実施しています。
背景
平成30年度の国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の試算によると、美郷町の人口は、令和22年には2,636人になると推計され、令和2年の国勢調査の人口4,826人(社人研の推計では4,809人)の約半分にまで減少すると推計されています。
美郷町人口推移・将来推計 和暦 | S35年 | S50年 | H2年 | H17年 | H27年 | R2年 | R7年 | R12年 | R17年 | R22年 |
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西暦 | 1960年
| 1975年 | 1990年 | 2005年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 |
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人口 | 19,410人 | 11,436人 | 8,994人 | 6,874人 | 5,480人 | 4,809人 | 4,185人 | 3,627人 | 6,125人 | 2,636人 |
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高齢者比率 | 7% | 14% | 23% | 40% | 48% | 52% | 56% | 58% | 59% | 59% |
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若者者比率 | 19% | 13% | 9% | 7% | 6% | 5% | 4% | 4% | 4% | 4% |
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備考 | 国調 | 国調 | 国調 | 国調 | 国調 | 推計 | 推計 | 推計 | 推計 | 推計 |
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本町のこれまでの人口減少対策は、行政主導で「町全体を一律・平等」に実施してきました。しかし、同じ町内でも、役場・支所の周辺の地区と町境の山間部の地区では、課題や困りごと、求める支援や地域にある資源(人材、施設、産業、文化など)、また物事の決め方・進め方も地区ごとに全く違っているため、ピンポイントで効率の良い対策が求められてきました。
そこで、行政主導の「町全体を一律・平等」に広く支援する体制は維持しつつ、24の行政区ごとに地区が主体となって定住促進の計画を立ててもらい、町はその計画に沿った取り組みを「きめ細か」に支援するちくせんを実施することにしました。
【ポイント】
・地域のことを一番よく知っている住民が、最もやりやすい方法で、効率よく行うことができる。
・自分たちの地域の未来をしっかりと「我がごと」としてとらえることができる。
・重点事項がわかっており、細かいところまで目が行き届く。
ちくせんの流れ
1.人口分析と地域資源の洗い出し
・地区人口の男女5歳刻みの過去5年間の増減数などを基にした人口分析を行い、人口推計や人口安定化に必要な数値を算出する。
・24の地区別にワークショップを開催し、地区内外にある資源や団体などを洗い出し、良いもの、大切なもの、支援が必要なものなどを図に表し、可視化する。
2.これからも住みよい地域を維持するために何が必要で何をしたいか等を話し合う。
・可視化した地区の情報を元に、さらにワークショップを重ね、6つの分野の取り組みを話し合い、出された案を発表し合って共有する。
(1)情報発信 (2)定住促進 (3)女性・若者・子育て支援 (4)産業・企業・法人・仕事づくり (5)暮らしサポート (6)総合
・取り組みを遂行する組織(実行委員会)の形を決める。
3.話し合いで出た定住促進に向けた取り組み案と組織案を地区住民に報告し、アンケートを実施する。
・地区の中学生以上の住民全員にアンケートを行う。
4.アンケートを集約し、地区住民の意見を参考にして定住促進のちくせん事業計画を作成する。
5.ちくせん事業計画を実行に移す(令和4年度から令和7年度)。←町が補助金等で支援する。
・実行委員会だけではなく、地区住民全体を巻き込んで、地区が一体となり事業を展開していく。
【令和4年度に全地区で取り組んだ事業】
暮らしの手引き作製
1分間動画とポスター作製
6.年に1回、ちくせん交流会を開催する。
・年に1回、全地区が一堂に会し、取り組みの発表と意見交換を行う。
ちくせん実行委員会
ちくせん事業計画を策定した地区は、それぞれの地区の特色や資源を有効活用した取り組みをSNS等を使って情報発信を行っているところがあります。また、未策定の地区においても、四季折々の様子や行事等を発信しているところもあり、ちくせんの輪が広がっています。
≪令和3年度末現在、計画策定済み地区≫